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スペシャルトーク

第4回 オノ・ナツメ×志村貴子

PROFILE

オノ・ナツメ©オノ・ナツメ

オノ・ナツメプロフィール

オノ・ナツメ●1977年生まれ。コミティアでの同人誌活動を経て、2003年に『ラ・クインタ・カーメラ』でデビュー。『リストランテ・パラディーゾ』(太田出版)はアニメ化もされ大ヒット。その他の著書に『GENTE』(太田出版)『さらい屋五葉』(小学館)『COPPERS』(講談社)など。現在「月刊IKKI」にて『さらい屋五葉』連載中。
志村貴子©志村貴子

志村貴子プロフィール

志村貴子(しむら・たかこ)●1973年生まれ。1997年に『ぼくは、おんなのこ』でデビュー。主な著書に『青い花』『どうにかなる日々』(ともに太田出版)『敷居の住人』『放浪息子』(ともにエンターブレイン)『ラヴ・バズ』(少年画報社)など。現在「月刊コミック・ビーム」にて『放浪息子』、「マンガ・エロティクス・エフ」にて『青い花』を連載中。

取材・文/宮昌太朗

PROFILE

――おふたりは、もしかして初対面ですか?

志村: そうですね。
オノ 初めてです。

――ええっ!? 同じ「エロティクス・エフ」に連載を持ってるのに(笑)。

志村: はい(笑)。ただ、オノさんのお名前を最初に知ったのは、実はコミティアなんですよ。知り合いが出てた関係で、お客さんとして会場に行って、すると「ティアズマガジン」ってあるじゃないですか(コミティアのカタログ誌)。その読者投票で大絶賛されてて、みんな「オノ・ナツメさんが」「オノさんが......」って(笑)。
オノ いや! それは大げさです......。
志村: うわ、超人気者がいるなって、すごく記憶に残ってたんです。で、最初に読んだのはたぶん、「IKKI」に読みきりで掲載された、老夫婦が出てくる......。
オノ あ、『もやし夫婦』。
志村: そうそう! あれがもう、すっごいかわいくて「あ......好き!」って(笑)。さっそくオノさんを引っ張ってきた「IKKI」編集部は仕事が早いな、とか思ってたんです。偉そうなんですけど(笑)。

――どこが印象的だったんですか?

志村: やっぱりほっぺですよね。あの垂れてる感じがすっごくかわいくて。で、「エフ」で『リストランテ・パラディーゾ』(以下『リスパラ』)の連載が始まったときは「ですよね!」って感じで。私の好きな作家と担当さんが好きな作家って、すごく被るんですよ。だからもう「呼ぶだろう、そりゃ」って(笑)。
オノ ちょうど「IKKI」と同じタイミングで、「エフ」さんにも声をかけていただいたんですよね。掲載は「IKKI」の方が先だったんですけど。

――オノさんは、志村さんのことをご存知だったんですか?

オノ 最初に担当さんからご連絡をいただいたときに、「エフ」の本誌を送っていただいたんですけど、それまであまり、こういうマンガを読んだことがなくて、「エフ」さんから声をかけていただいたときも、「私には無理なんじゃないの?」と思ったんです。担当さんは『LA QUINTA CAMERA ~5番目の部屋~』を見て、声をかけてくださったんですけど、「私にいったい何を求めてるんだろう?」って(笑)。

――あはは、そうだったんですか!

オノ 「自分がこの雑誌のなかで描く」って思うと、すごく緊張しちゃって。メンツもすごい人たちばっかりだし、この本の読者には、絶対に私、求められてないな、って感じで(笑)。

――いやいや、そんなことはないと思いますけど(笑)。

オノ そのとき送ってもらった本のなかに、一緒に志村さんの単行本が2冊入ってたんですよ。『どうにかなる日々』だったと思うんですけど、それに好きな話があって。トイレが古い家の出てくる......。
志村: 最初の第1話と第4話かな?
オノ そうそう、お話がつながってて。描き方が好きだなあと思ったんです。それにすごく色気があるというか、なんかエロくて(笑)。

――エロい、ですか?(笑)

オノ 絡みのシーンでも、いやらしいんじゃなくてエロい。......って、あんまり上手く言えないんですけど(笑)。で、担当さんとお話しさせていただいたら、「基本はやっぱり恋愛ものかフェティッシュなものです」みたいに言われて、悩みつついただいた献本をくり返し読んで。「エフ」に「描きます」ってお返事したのは、志村さんの作品を読んだからでもあるんですよ。

――どんなところがよかったんですか?

オノ さらっとしているようで、エロさもあって、かわいくて。たぶんキャラクターなのかな。あとは、志村さんが描かれてる絵とか線、それからもちろんストーリーの流れもあって、それが全部あわさって魅力的で......。私、全然言葉を知らないんで、評論みたいなことはいえないんですけど、でも作品を見て、説明はできないけど「好きだ!」って。「『青い花』はこういう作品です」って、語るのはやっぱり難しいと思うし......。
志村: それはわかります。私も「この作品のこういうところが......」みたいなことが、あんまり上手く言葉にできなくて、結局「みんな好きです、キャー!」みたいな言葉になっちゃう(笑)。
オノ 具体的なシーンとかは話せるんですよ。今、ここに本があれば「ここのシーンが!」って話せるんですけど。
志村: そうそう。
オノ 「この流れが!」とか「この表情が好き!」みたいな(笑)。

――ただ、志村さんの作品は、それまでオノさんが読んだことのないような、タイプのマンガだったってことですね。

オノ そうですね。子供の頃、父親が好きで買ってきたのを読んでたんですけど、それこそ「ビッグコミック」系の作品とか、ほかにも姉や友達からもいろいろ借りて読んでたんですけど、「エフ」や志村さんの作品のようなマンガはあまりなかったですね。
志村: まわりの人の影響っていうのは、やっぱりありますよね。ウチも兄がいるんで、兄が買ってた少年誌が出発点だなって。それこそ最初は「週刊少年サンデー」で、途中から「ジャンプ」が入ってきて。
オノ 私は高校の途中くらいからあまりマンガを読まなくなったんですよ。またマンガを読み出したのって、デビューして、いろいろと献本をいただき始めてからなんです。......といっても、もともとのデビューはウェブマガジンなので、「エフ」とか「IKKI」で連載を始めてからですね。私、いまだに献本でいただいた本って、隅から隅まで読むんです(笑)。
志村: あはは(笑)。
オノ もらったらもう、すぐに開いて読む、みたいな。
志村: で「このマンガ面白い!」って。
オノ オノ そうそう。「やっぱりマンガって読んだら面白いんだ」って(笑)。だから、『どうにかなる日々』は、もしかすると久々に読んだマンガの単行本だったかもしれないです。

中編に続く

2009.7.24 UP

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